謝罪

「外国人介護職への日本語教育法」ワセダバンドスケール(介護版)を用いた教え方」(発行:日経メディカル開発)の書籍内にあります記事の一部を弊団体及び関連団体、一般社団法人国際介護人財組合の外国人介護職対象教育支援活動において無断転載していたことに対して、発行者より抗議及び削除の指示があり、対応いたしました。

なお、上記抗議文書に対し、下記回答及び経緯説明を発行者に提出しております。

               令和2年12月11日
株式会社日経メディカル開発
取締役 ●● 様

               一般社団法人国際介護人財組合
               一般社団法人外国人介護職員支援センター
               代表理事 井上文二

令和2年12月9日付貴社よりの通知書についてのご回答

前略
この度は弊二法人が外国人介護職への日本語教育支援活動におきまして、貴社より表題の通知書をいただき、真摯に受け止めており、ここにお詫び申し上げます。
 取り急ぎ、通知書にありました項目3の経緯の説明を別紙にてさせていただきます。ぜひとも外国人介護職の方々への無償介護日本語教育支援活動にご理解をいただき、引き続き介護業界の発展にご協力をいただけますよう、寛大なご配慮をお願い申し上げます。
                        草々


令和2年12月11日
【無断転載に至った経緯の説明】

一般社団法人国際介護人財組合
一般社団法人外国人介護職員支援センター
代表理事 井上文二

今回、貴社抗議の対象のなりました両法人の代表理事である私、井上文二は、2004年から埼玉県にて介護資格取得スクールを経営しておりました。当時、ほとんどの大手スクールが通信制(自宅学習)と通学の組み合わせという、初めて介護を学ぶ人たちにはあまりにも中途半端な教育を提供する方式に対抗し、私は「ユビキタスケア、いつでもどこでも思いやり、介護のこころ」を理念に掲げ、手間やコストが倍ほどかかる現場実習を組み込んだ完全通学制の介護職員初任者研修講座を提供しておりました。しかしながら、2014年ごろから大手スクールを中心に従来の受講料を半額にして、その上位資格である実務者研修(通信部分90%、通学部分10%というカリキュラム構成)に誘導して利益を上げる方針をとるようになり、この介護教育業界における価格競争波にのまれ、ついには、2016年に会社を倒産させてしまいました。経営状態が非常に悪化した終盤の2014年からは、日本人受講生が激減し、大半が在日外国人の方々になっていました。遠くは山梨県や千葉県の南房総からなど多くの日本語に不安な外国人がこぞって当時の埼玉県川口市の教室まで通い、4日間の現場実習もそれぞれの居住地域で受け、少なからぬ生徒はそのまま実習先で就職できました。その理由は、完全通学制と現場実習も組み込まれていたことだけでなく、資料にルビを振ってあげたり、分りやすい日本語で指導してあげたりという、外国人でも日本の介護の仕事や考え方をしっかり学べるスクールだったためです。
 残念ながら自ら起業した会社は破綻し、私自らも自己破産の憂き目にあうことになりました。しかし、それまで介護業界で頑張ってほしいと、信念をもって指導してきた外国人たちを見捨てることはできませんでした。そこでなんとか2016年7月より市川市の集会場を借りてボランティアにて外国人介護職たちに介護の日本語を無償で指導することにしました。(当時は、私が破産手続き中のこともあり社会に出づらい状況にありましたので、妻の名前を使い、マリーアンドパートナーズというボランティア団体の活動にしておりました。)
 2016年から介護日本語のベーシックコースとアドバンスコースと年2回ずつ開催したり、当時介護技能実習生の2号移行に必須だったJLPTN3のコースを提供したりもしていました。そのような中で、2018年8月に貴社の「外国人介護職への日本語教育法」を知り、2冊購入の上、ワセダバンドスケール指導法を研究させていただきました。
 ワセダバンドスケールは、私にとってとても新鮮で、感銘いたしました。なんとかこの指導法を介護現場の指導者の方々に知ってもらい、介護業界に普及させ、外国人介護職たちがスキルアップしながら日本人と共に業界を盛り上げていくことができないかと考えました。
 そこで、2018年秋から川崎市国際介護人材サポートセンターで行われた外国人向け学習支援で介護日本語の講師をすることが決まったのを機に、購入した本を利用して試しに指導し、それなりの効果を感じました。1回2時半の6回コースでした。
(弊団体HP http://caregiverjapan.org/nihongo/wasedabandscale で紹介)
 そこで今度は、2019年2月より同年7月までの弊団体が無償で開催する介護日本語教室(2時間×20回の授業)の大半でワセダバンドスケールを活用して指導し、かなりの教育成果が認められるに至りました。ご指摘のありましたNursing Care Japanese Language Online Studyのフェイスブックグループページは、受講期間中に生徒さんが復習できるようにと作成し、授業動画や資料をアップロードして活用しておりました。しかし、せっかくのこのような素晴らしい授業法を活用した研修を受講された限られた外国人だけのものにするのはあまりにももったいないと思い、日本での介護職で頑張りたいと強く希望する外国人の方々にも無償で開放しようと思った次第です。また、介護業界の経営者、指導者の方々にも広めることが目的でした。
(弊団体HP http://caregiverjapan.org/nihongo/class2019 で紹介)
 従来の一般社団法人外国人介護職員支援センターは実質、私一人が活動しておりまして、外国人介護職支援活動の範囲も限られていたため、昨年度に同じ外国人介護職支援の思いをもつ法人経営者4名で一般社団法人国際介護人財組合(通称:INA)を立ち上げることにより、全国の介護事業者の方々にも外国人育成・指導を一緒に担っていただこうと活動を始めました。INAの公式フェイスブックページでの動画の掲載は、その介護事業者の方々に対し、ワセダバンドスケールを活用した日本語指導の啓蒙も目的としております。
 また、ご指摘のありました、フェイスブック「日本語練習のページ」は、もともとは市川市で開催していました無料の介護日本語教室で、授業中に読み書きを練習するために利用する目的で作成しました。しかし、一般的なオンライン学習の弱点である双方向性欠如を補完するのにみごとに適しているため、そのまま弊団体の種々オンラインコースで学ばれている外国人たちにも開放し、可能な限りそのグループページ内でも有意義な勉強をしていただいています。

以上、経緯説明が長くなってしまい申し訳ございません。日本にいる外国人の方々の大半は、一般の日本人より経済的に厳しい状況に置かれており、その中で、資格を取って日本人と同等に働けるということで介護職を目指し、すでに介護職になっている人はそのキャリアアップをめざしています。また、これから技能実習生や特定技能介護職として来日される外国人介護職たちは、本国への仕送りもあり、さらに厳しい経済生活を送らなければなりません。そのため、私どもの2つの法人は、原則、彼ら本人たちには一切の金銭的負担を負わせず(例外として介護福祉士試験対策の一部のみ現時点では少額をいただいています。)、日本滞在中にスキルアップし、やりがいをもって介護という仕事に従事でき、可能であれば介護福祉士国家試験に合格して、彼らが希望するだけ長く日本にとどまり、介護業界に貢献していただけることを強く願っております。また、2つの法人とも、まったく営利などは求めておらず、実際、INAは各理事がいまだ手弁当で活動を続けており、外国人介護職員支援センターも介護福祉士試験対策の一部を除き、すべて無料で学習支援をしております。
本書第4章に書かれてありました「あくまでも「例」ですので、実際に指導する際は、皆さんの施設で使用する語彙・文章・会話などを追加して、利用してください。」という言葉を信じ、ワセダバンドスケール指導法を業界に広め、また、それを活用して多くの外国人介護職たちのスキルアップをしたいという、ただただ、その思いで、法人としてのきちんとした手続きを踏まず、事を進めてまいった次第です。