外国人特定技能や介護技能実習生は介護福祉士国家試験に合格できない?

EPA

EPAフィリピン介護福祉士候補者でも合格率33%(第32回介護福祉士国家試験結果)

介護特定技能や技能実習生にとって、雇用主側の支援がなければ介護福祉士試験合格は夢物語に終わるのか。

来日・採用要件がかなり高いEPA介護福祉士候補者が、国と雇用主が一体となって4年間の教育支援を受けた結果です。

あれだけの支援を受けて必死に頑張ったいわばエリートたちでも、全体の合格率は44%(日本人含む全体で69%)。来日要件(要求されているレベル)がベトナムより低いフィリピンとインドネシアに至っては、40%未満です。

ここで、日本語能力がN4程度(JFTはN4以下レベル)、学歴不問という要件の下に、特定技能外国人介護職は滞在5年以内に介護福祉士国家試験合格を目指すことになります。

彼らの多くは夢を抱き、必死で仕事を覚えながら、国家試験勉強をすることでしょう。母国にいる家族のために。5年以内に合格すれば「更新制限がない介護ビザ」を取得し、家族も呼び寄せ、好きなだけ長く日本で働けるのです。

しかし、現実は厳しいです。

外国人介護特定技能では、EPAのように制度的な国や施設の教育支援は存在しません。

教育・育成は全て本人と採用施設側に任させられています。
EPAでは、国の支援や補助に加え、各自治体も教育を支援しており、例えば東京都などはEPA候補者一人当たり年間100万円ほどの補助金を提供しています。

私たちは、生徒さんにいつも言っています。「よい会社とは、あなたたちの教育サポートをしっかりしてくれるところですよ」と。でも、そのようなよい会社や施設はどのくらいあるのでしょうか。

この数か月、多くの介護施設等に「彼らの教育サポートを一緒にしませんか」と案内をしてまいりましたが、残念ながら、数名の自社外国人職員ためへの総額月額1万円の教育費用を出費しようというところは、今のところほとんどありません。職員一人当たりにすればほんの数千円でも。

採用にはお金をかけても、定着率アップのための外国人職員教育には少額の追加費用も出したくないというところが多いようです。(EPA導入施設では助成金を利用して当方のビデオの購入やオンラインコースを利用されていたりはしますが。)

介護施設と一緒になって外国人介護職の教育支援を展開しようと設立したもう一つの団体、一般社団法人国際介護人財組合(通称:INA)が動き始めています。

私たちは、外国人向け介護福祉士試験対策には自信があります。しかし、EPA制度のように、雇用主側の支援がなければ、私たちがいくら無料で教育支援をしようとも、EPA合格率の半分にも到達できないだろうと思っています。

先輩日本人職員が、彼らがどのような勉強をしているのか、順調なのか、何に困っているのか等、ほんの少しだけでも寄り添ってあげて、サポートしてあげることで、モチベーションを維持し、理解力も向上できます。

実質、月額1万円でINAの賛助会員事業所になれば、外国人介護職を指導される担当者もオンライン講座に一緒に参加でき、現場フォロー研修に利用できるように希望に応じて学習コンテンツの貸与もできる仕組みです。賛助会員事業所に所属する外国人職員なら人数制限がありません。EPAでも、特定技能、技能実習生、留学生アルバイト、それに長く日本で暮らす一般在日外国人、どの外国人でも、介護の日本語や技能実習初級試験対策から、介護福祉士試験対策の導入学習、実務者研修宿題サポート、そして合格までの本格的介護福祉士試験対策まで無料で受講できます。そこに雇用主側、先輩職員のフォローが加われば今のEPA候補者たちの合格率を上回ることも不可能ではありません。

 

ぜひ、介護業界のためにも、外国人介護職支援を一緒に進めていっていただきたいと願うばかりです。

外国人を確実に介護福祉士国家試験に合格させる教育方法とは

 

 

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